第5章 |
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SMS ソフトウェアは、Solaris オペレーティング環境を実行する Sun Fire ハイエンドシステムドメインに対応しています。SMS ソフトウェアのコマンドは、遠隔から実行できます。
SMS ソフトウェアを使用すると、プラットフォーム管理者は次の作業を行うことができます。
ドメイン構成可能ユニット (DCU) を論理的にグループ化してドメインを管理する。DCU は、CPU および入出力ボードなどのシステムボードです。ドメインは、独自のオペレーティングシステムを実行して、独自の作業負荷を処理できます。
ドメインがマルチユーザーモードで動作している間、ドメインを動的に再構成して、現在取り付けられているシステムボードをオペレーティングシステムに論理的に接続したり、そこから切り離したりできるようにします。システムがマルチユーザーモードで動作していても、システムボードがドメインに接続されていなければ、そのボードを物理的に交換することができます。
スクリプトを使用してドメインの動的再構成を自動実行します。
1 つまたは複数のシステムボードまたはドメインの温度、電流、および電圧レベルを監視、表示します。
プラットフォーム内のコンポーネントへの電力供給を監視、制御します。
電源投入時自己診断 (POST) などの診断プログラムを実行します。
Sun Fire ハイエンド SMS ソフトウェアの現リリースには、次の機能があります。
動的システムドメイン (DSD) 構成
構成済みドメインサービス
ドメイン制御機能
ドメインステータスレポート
自動診断および自動ドメイン回復
ハードウェア制御機能
ハードウェアステータスの監視、レポート、および処理
ハードウェアエラーの監視、レポート、および処理
システムコントローラ (SC) のフェイルオーバー
構成可能管理特権
Capacity on Demand (COD) オプションを使用して、予備の処理リソースを割り当て、使用可能にし、監視を行う機能
SMS ソフトウェアは、分散クライアントサーバーアーキテクチャーを採用しています。init(1M) コマンドがまずプロセス ssd(1M) を起動、あるいは必要に応じて再起動します。ssd コマンドは、他のすべての SMS プロセスを監視して、必要に応じてそれらを再起動します。
Sun Fire ハイエンドプラットフォーム、SC、およびその他のワークステーションは、Ethernet で互いに通信を行います。SMS 操作は、ローカルエリアネットワークの別のワークステーションから SC に遠隔ログオンした後、SC にコマンドを入力して実行します。プラットフォームの監視やプラットフォームの制御などの SMS 操作を実行する場合は、適切なプラットフォームまたはドメイン特権を持つユーザーとしてログインする必要があります。
デュアルシステムコントローラボードは、Sun Fire ハイエンドシステム内でサポートされます。1 つのボードは一次、またはメインシステムコントローラボードに指定され、もう 1 つのボードはスペアシステムコントローラボードに指定されます。メインシステムコントローラに問題が発見されると、フェイルオーバー機能によってスペアシステムコントローラに自動的に切り換えられます。
Sun Fire ハイエンドシステムでの管理作業は、グループ特権要件によって保護されています。SMS はインストール時に、次の UNIX グループを /etc/group ファイルに設定します。
platadmn はプラットフォーム管理者を示します。
platoper はプラットフォームオペレータを示します。
platsvc はプラットフォーム保守を示します。
dmn[A...R]admn - ドメイン [domain_id|domain_tag] は、使用可能な 18 のドメインのうちの 1 つの管理者を示します。
dmn[A...R]rcfg - ドメイン [domain_id|domain_tag] は、使用可能な 18 のドメインのうちの 1 つの構成者を示します。
システムコントローラの主要機能の 1 つは、Sun Fire ハイエンドシステムプラットフォームとそのドメインに管理サービスを提供することです。Sun Fire ハイエンドシステム管理ネットワーク (MAN) はハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、このような管理サービスを提供するためのネットワークアーキテクチャーとなります。
管理ネットワークへのアクセスは、プラットフォームの SC とドメインに限定されます。外部の IP トラフィックを管理ネットワークで経路指定することはできません。
Sun Fire ハイエンドシステムは、CPU/メモリーボードに搭載されている特定の個数のプロセッサ (CPU) を使用するよう構成されています。これらのボードは、初期システム構成の一部、またはアドオンコンポーネントとしてすでに購入いただいています。購入されたボードには、ボードに搭載されている CPU の使用権も含まれています。
Capacity on Demand (COD) オプションは、必要になった時点で代金を支払って使用できる、予備の処理リソースを提供します。COD オプションでは、ライセンスのない CPU/メモリーボードをシステムに取り付けます。これらのボードは COD CPU/メモリーボードとして区別され、4 つの CPU が搭載されています。しかし、この COD CPU/メモリーボードに対する COD RTU (right-to-use) ライセンスを購入しない限り、このボードに搭載されている CPU を使用する権利はありません。COD RTU ライセンスを購入すると、ライセンスキーを受け取り、購入したライセンスに応じた個数の COD プロセッサを使用できるようになります。
Sun Fire ハイエンドシステムでは、システムの最大許容量まで、アクティブな CPU/メモリーボードと COD CPU/メモリーボードを任意に組み合わせて使用することができます。システムの各ドメインには、アクティブな CPU が 1 つ以上割り当てられている必要があります。
COD CPU/メモリーボード、およびそのボード数に対応する COD RTU ライセンスを購入する際には、購入先にお問合せください。COD CPU/メモリーボードを取り付けた後は、SMS ソフトウェアを使用して、COD RTU ライセンスを割り当て、COD CPU を使用可能にし、使用している COD CPU の監視を行います。
SMS ソフトウェアの詳細が記載されたマニュアルについては、SMS ソフトウェアに関する情報を参照してください。
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