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SMS 1.4 のバグ

この章では、SMS 1.4 で既知のバグについて説明します。以下の項目を説明します。


SMS 1.4 ソフトウェアのバグ

この節では、SMS 1.4 に影響する重大なバグや RFE について簡単に説明します。未解決のすべてのバグと RFE が含まれているわけではありません。

Ctrl-C キーを使用して電源投入/電源切断処理の割り込みを行うと、ESMD でコアダンプが発生することがある (BugId 4902308)

Ctrl-C キーを使用して電源投入または電源切断処理の割り込みを行うと、ESMD でコアダンプが発生することがあります。ESMD は自動的に再起動を行って、正常に回復します。コンポーネント障害 (esmd) と再起動メッセージが、プラットフォームのメッセージファイルに記録されます。

回避策 : 電源投入処理中または電源切断処理中に Ctrl-C キーを使用しないでください。

Ctrl-C キーを使用して電源投入/電源切断処理の割り込みを行うと、不要なエラーメッセージが表示されることがある (BugId 4902311)

Ctrl-C キーを使用して電源投入または電源切断処理の割り込みを行うと、"client monitor failed" などのエラーが、プラットフォームのログに記録されることがあります。メッセージが表示されても実際のエラーとなることはなく、システムにも影響を与えませんが、これらは必要のない警告であることがあります。

回避策 : 電源投入処理中に Ctrl-C キーを使用しないでください。また、使用した場合は、エラーメッセージを無視してください。

setchs -c コマンドが一度に 1 つのコンポーネントにしか適用されない (BugId 4925617)

単一の setchs コマンドで複数のコンポーネントの CHS を変更しようとした場合に、最初のコンポーネントのみが変更されます。このコマンドでは、正常終了を示す "0" が返され、以降のコンポーネントが変更されなかったことを示すエラーメッセージは出力されません。

回避策 : 一度に複数のコンポーネントに対して setchs -c コマンドを適用しないでください。

SC に負荷がかかると ADC チップタイムアウトエラーが表示される (BugId 4948686)

システムコントローラに重い負荷がかかっている状態で、SMS 1.4 ソフトウェアが次のような ADC チップのキャリブレーションタイムアウトエラーを報告する場合があります。

...NOTICE ExpBoard.cc 122] The ADC chip calibration timeout on EX13

回避策 : このエラーメッセージを無視してください。

SC 電源切断時に誤解を招くメッセージが表示される (BugId 4953836)

高温や低温など環境の問題に起因して esmd によりシステムコントローラ (SC) の電源が切断されるときに、誤解を招くメッセージが表示されることがあります。このメッセージでは、SC の電源切断とドメインからの削除が行われることが通知されます。システムコントローラはドメインに含めることはできないので、ドメインから削除することはできません。

回避策 : このメッセージは無視してください。

ドメインの起動時間が長くなった (BugId 4957596)

Starcat シャーシの電源投入後、そのドメインで Solaris プロンプトが表示されるまでの時間が約 15% 増加しました。

回避策 : なし

スペア SC 上でフェイルオーバーが正常に動作しない場合がある (BugId 4963029)

機能低下を起こしたセンタープレーンを使用した場合に、スペア SC 上でフェイルオーバーが正常に動作しない場合があります。

回避策 : スペア SC の修理を試みる前に、機能低下を起こしたセンタープレーンの問題を解決してください。

2 プロセッサのシステムボードでドメイン再起動後に Unknown ステータスが表示される (BugId 4970240)

2 プロセッサのシステムボードの両方のプロセッサで Solaris ECC 回復可能エラーが通知され、ドメインが再起動されるときに、システムボードの「電源状態」が ON のままにならず、UNKNOWN に変わります。このため、showchs が失敗します。

この問題は、4 プロセッサのシステムボードでは発生しません。

回避策 : システムボードの電源を再投入します。

実行中のドメイン内の拡張ボードの電源を切断した場合に、ドメインが回復しない (BugId 4970726)

実行中のドメイン内の拡張ボードの電源を切断した場合に、dsmd によってドメインが回復しません。

回避策 : 実行中のドメインによってスロット 0 または 1 のコンポーネントが使用中の場合、拡張ボードの電源を切断しないでください。

 

正常な DR 処理でエラーメッセージが表示される (BugId 4971396)

分割スロット構成のドメイン上で addboard 処理が正常に実行された場合に、次のエラーメッセージが表示されることがあります。

FAIL Slot SB12: MaxCPU in use in Slot I012, allow_maxcpu_split_ex not set. There is no FRU service action indicated for this failure.

回避策 : showboards コマンドを使って、処理が成功したことを確認してください。処理が成功している場合は、このメッセージを無視してください。

setkeyswitch の処理がハングアップしているように見える (BugId 4972781)

拡張ボードを共有する複数のドメイン上で setkeyswitch コマンドを実行した場合に、次のようなエラーメッセージが表示される場合があります。

[ ...ERR setKeyswitchLock.cc 124] setkeyswitch process already running: pid=10435

この処理はハングアップしていません。ただし、各ドメインが他のドメインに対して共有ハードウェアをロックしています。最初の setkeyswitch コマンドが完了した後、以降の setkeyswitch コマンドを開始できるようになります。

回避策 : なし

電源を切断した拡張ボードにシステムボードを取り付けられない (BugId 4970670)

電源を切断した拡張ボードにシステムボードを取り付けた場合に、インストールレコードが記録されません。

回避策 : システムボードを取り外し、拡張ボードの電源を投入した後、システムボードを再度取り付けます。


SMS 1.4 ソフトウェアに影響するバグ

ここでは、SMS 1.4 システムに影響を与える可能性のある重大なバグについて説明します。SMS 1.4 システムに影響を与える可能性のあるすべてのバグを記載しているわけではありません。

インストール済みドメインの MAN I1 ネットワーク IP アドレスを変更すると、手動で MAN ネットワークを再構成する必要がある (BugId 4484851)

インストール済みのドメインがあり、smsconfig -m を使用してその MAN I1 ネットワーク構成を変更したときは、インストール済みドメインの MAN ネットワーク情報を手動で構成する必要があります。

回避策 :『System Management Services (SMS) 1.4 インストールマニュアル』の未構成ドメインに関する情報を参照してください。

Sun Fire 15K プラットフォーム固有の Begin/Finish スクリプトが、HPCI+ のみのドメインでハングアップする (BugId 4797577)

Solaris 8 Update 7 オペレーティング環境は、hsPCI+ ボードをサポートしていません。hsPCI+ ボードのみで構成されているドメインでは、Begin/Finish スクリプトの開始後、インストールがハングアップします。

回避策 : Ctrl-C を押して、Begin/Finish スクリプトに割り込みをかけます。これにより残りのインストールを継続させることができるため、インストールが正常に行われます。

Hpc3130 カセットの状態に対して、断続的な I2C タイムアウト (1124) が発生する (BugId 4785961)

Hpc3130 hsPCI カセットの状態を取得するときに、dxsfrad によって断続的な I2C タイムアウトが報告されます。このバグの影響は害のないもので、プラットフォーム、ドメイン、およびドメインコンソールのメッセージログにエラーメッセージを生成するだけです。

回避策 : なし

キャッシュ不可の要求への対応づけを解除された応答が、AXQ ロックモジュールの状態を破壊する (BugId 4761277)

2 つのドメインで 1 つの拡張ボードを共有し、1 つのドメインのデバイスドライバ (または OS 拡張機能) が間違ったアドレスをプログラム済みの入出力空間に対して実行すると、両方のドメインで dstop が発生する可能性があります。これは、デバイスドライバなど、特権モードで実行されている欠陥のある OS 拡張機能でのみ起こります。

回避策 : テストされていなかったり問題がある特権モードソフトウェア (デバイスドライバなど) がドメインに含まれている場合には、このドメインとプロダクションドメインとの間で、拡張ボードを共有しないでください。

Sun Fire 15K サーバーで、ドメイン停止割り込みの検出に失敗することがある (BugId 4924523)

ドメイン停止 (dstop) 割り込みが hwad で検出されても dsmd で検出されない場合、dsmd からはハートビート障害が報告されます。ハードウェアの構成情報のみダンプされ、CPU レジスタやドメインデータ (dsmd.dump) はいずれも保存されません。ハードウェア構成ファイルからは、dstop 状態が報告されます。

回避策 : POST レベルを上げてドメインの POST を再実行すると、ハードウェア問題の原因を明らかにすることができます。

IP アドレスがないと、SMS は起動されない (BugId 4929849)

ハイエンドサーバーのシステムコントローラが自身のホスト名を解決できない場合には、wcapp は起動されません。その結果、SMS も起動されません。代わりに、プラットフォームのログに wcapp エラーメッセージが繰返し表示されます。たとえば、次のメッセージが表示されます。

wcapp[9433:1]: [12300 8753505948023 ERR libWcApp.cc 2227]
Wcapp : java.net.UnknownHostException:

[1312 8753513433994 ERR StartupManager.cc 3021] software component failed: name=wcapp

[1304 8753514591425 NOTICE StartupManager.cc 2740] software component start-up initiated: name=wcapp

wcapp: [NOTICE] /usr/java1.2/lib/ext/jsse.jar, /usr/java1.2/lib/ext/jnet.jar, /usr/java1.2/lib/ext/jcert.jar: optional JSSE jarfiles not all found or not readable by user; running without SSL support


回避策 : SC の正しいホスト名 (hostname(1) コマンドを実行すると返される) と IP アドレスが /etc/hosts ファイルに記録されているか、または何らかのネーミングサービスを使用していることを確認します。/etc/hosts ファイルにホスト名を記録する 1 つの方法としては、smsconfig コマンドを再実行して、『サイト計画の手引き』で SC に使用されたホスト名と IP アドレスを入力します。ホスト名と IP アドレスが正しいことを確認したら、SMS を再起動します。


SMS 1.4 マニュアルの誤り

この節では、SMS 1.4 のマニュアルページおよびマニュアルに含まれる誤りを記載しています。

smsupgrade.1m マニュアルページの SMS のアップグレード例で誤った接尾辞番号が使用されている (BugID 4912378)

smsupgrade.1m マニュアルページのアップグレード例で、SMS パッケージ用の正しいアップグレード接尾辞が示されていません。アップグレードされたすべてのパッケージの接尾辞は .2 です。

回避策 : 代わりに『SMS 1.4 インストールマニュアル』をお読みください。

pcd.1m マニュアルページで誤ったデータフィールドが示されている (BugId 4918650)

pcd.1m マニュアルページおよび『SMS 1.4 リファレンスマニュアル』に記載されたプラットフォームデータ記述子が正しくありません。SMS 1.4 では、この記述子はバージョン 3 であり、Chassis Serial Number フィールドがプラットフォーム情報に追加されています。

回避策 : なし

『SMS 1.4 インストールマニュアル』に記載されている flashupdate の情報が誤っている (BugId 4942045)

『SMS 1.4 インストールマニュアル』で、2 つの flashupdate ファイル (nSCCPOST.di および oSCCPOST.di) が特定の種類のシステムコントローラ (SC) 上でのみ使用できることが記載されていません。これらの各ファイルは、次のハードウェアのみを対象としています。

  • nSCCPOST.di -> CP1500 ボード
  • oSCCPOST.di -> CP2140 ボード

さらに、23 ページ、38 ページ、52 ページ、および 61 ページの例では、一方の SC 上に CP1500 ボード、他方の SC 上に CP2140 ボードが示されていますが、このような構成はサポートされていません。

回避策 : お使いの SC の種類を確認するには、SMS の起動時にプラットフォームメッセージログファイルをチェックしてください。

showboards -c により WPCI ボードに関する誤った情報が提供される (BugId 4970807)

すべてのシステムボードのクロックソースを表示するための showboards -c コマンドで、システム内のすべての WPCI ボードがオフであることが誤って表示されます。この誤ったステータスが表示されるのは、-c オプションを使用した場合に限られます。

回避策 : WPCI ボードのステータスを無視するか、あるいは -c オプションを指定しないで showboards コマンドを再実行してボードのステータスを確認してください。