第2章 |
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この章では、SMS 1.4 で既知のバグについて説明します。以下の項目を説明します。
この節では、SMS 1.4 に影響する重大なバグや RFE について簡単に説明します。未解決のすべてのバグと RFE が含まれているわけではありません。
Ctrl-C キーを使用して電源投入または電源切断処理の割り込みを行うと、ESMD でコアダンプが発生することがあります。ESMD は自動的に再起動を行って、正常に回復します。コンポーネント障害 (esmd) と再起動メッセージが、プラットフォームのメッセージファイルに記録されます。
回避策 : 電源投入処理中または電源切断処理中に Ctrl-C キーを使用しないでください。
Ctrl-C キーを使用して電源投入または電源切断処理の割り込みを行うと、"client monitor failed" などのエラーが、プラットフォームのログに記録されることがあります。メッセージが表示されても実際のエラーとなることはなく、システムにも影響を与えませんが、これらは必要のない警告であることがあります。
回避策 : 電源投入処理中に Ctrl-C キーを使用しないでください。また、使用した場合は、エラーメッセージを無視してください。
単一の setchs コマンドで複数のコンポーネントの CHS を変更しようとした場合に、最初のコンポーネントのみが変更されます。このコマンドでは、正常終了を示す "0" が返され、以降のコンポーネントが変更されなかったことを示すエラーメッセージは出力されません。
回避策 : 一度に複数のコンポーネントに対して setchs -c コマンドを適用しないでください。
システムコントローラに重い負荷がかかっている状態で、SMS 1.4 ソフトウェアが次のような ADC チップのキャリブレーションタイムアウトエラーを報告する場合があります。
...NOTICE ExpBoard.cc 122] The ADC chip calibration timeout on EX13 |
高温や低温など環境の問題に起因して esmd によりシステムコントローラ (SC) の電源が切断されるときに、誤解を招くメッセージが表示されることがあります。このメッセージでは、SC の電源切断とドメインからの削除が行われることが通知されます。システムコントローラはドメインに含めることはできないので、ドメインから削除することはできません。
Starcat シャーシの電源投入後、そのドメインで Solaris プロンプトが表示されるまでの時間が約 15% 増加しました。
機能低下を起こしたセンタープレーンを使用した場合に、スペア SC 上でフェイルオーバーが正常に動作しない場合があります。
回避策 : スペア SC の修理を試みる前に、機能低下を起こしたセンタープレーンの問題を解決してください。
2 プロセッサのシステムボードの両方のプロセッサで Solaris ECC 回復可能エラーが通知され、ドメインが再起動されるときに、システムボードの「電源状態」が ON のままにならず、UNKNOWN に変わります。このため、showchs が失敗します。
この問題は、4 プロセッサのシステムボードでは発生しません。
実行中のドメイン内の拡張ボードの電源を切断した場合に、dsmd によってドメインが回復しません。
回避策 : 実行中のドメインによってスロット 0 または 1 のコンポーネントが使用中の場合、拡張ボードの電源を切断しないでください。
分割スロット構成のドメイン上で addboard 処理が正常に実行された場合に、次のエラーメッセージが表示されることがあります。
FAIL Slot SB12: MaxCPU in use in Slot I012, allow_maxcpu_split_ex not set. There is no FRU service action indicated for this failure. |
回避策 : showboards コマンドを使って、処理が成功したことを確認してください。処理が成功している場合は、このメッセージを無視してください。
拡張ボードを共有する複数のドメイン上で setkeyswitch コマンドを実行した場合に、次のようなエラーメッセージが表示される場合があります。
[ ...ERR setKeyswitchLock.cc 124] setkeyswitch process already running: pid=10435 |
この処理はハングアップしていません。ただし、各ドメインが他のドメインに対して共有ハードウェアをロックしています。最初の setkeyswitch コマンドが完了した後、以降の setkeyswitch コマンドを開始できるようになります。
電源を切断した拡張ボードにシステムボードを取り付けた場合に、インストールレコードが記録されません。
回避策 : システムボードを取り外し、拡張ボードの電源を投入した後、システムボードを再度取り付けます。
ここでは、SMS 1.4 システムに影響を与える可能性のある重大なバグについて説明します。SMS 1.4 システムに影響を与える可能性のあるすべてのバグを記載しているわけではありません。
インストール済みのドメインがあり、smsconfig -m を使用してその MAN I1 ネットワーク構成を変更したときは、インストール済みドメインの MAN ネットワーク情報を手動で構成する必要があります。
回避策 :『System Management Services (SMS) 1.4 インストールマニュアル』の未構成ドメインに関する情報を参照してください。
Solaris 8 Update 7 オペレーティング環境は、hsPCI+ ボードをサポートしていません。hsPCI+ ボードのみで構成されているドメインでは、Begin/Finish スクリプトの開始後、インストールがハングアップします。
回避策 : Ctrl-C を押して、Begin/Finish スクリプトに割り込みをかけます。これにより残りのインストールを継続させることができるため、インストールが正常に行われます。
Hpc3130 hsPCI カセットの状態を取得するときに、dxs と frad によって断続的な I2C タイムアウトが報告されます。このバグの影響は害のないもので、プラットフォーム、ドメイン、およびドメインコンソールのメッセージログにエラーメッセージを生成するだけです。
2 つのドメインで 1 つの拡張ボードを共有し、1 つのドメインのデバイスドライバ (または OS 拡張機能) が間違ったアドレスをプログラム済みの入出力空間に対して実行すると、両方のドメインで dstop が発生する可能性があります。これは、デバイスドライバなど、特権モードで実行されている欠陥のある OS 拡張機能でのみ起こります。
回避策 : テストされていなかったり問題がある特権モードソフトウェア (デバイスドライバなど) がドメインに含まれている場合には、このドメインとプロダクションドメインとの間で、拡張ボードを共有しないでください。
ドメイン停止 (dstop) 割り込みが hwad で検出されても dsmd で検出されない場合、dsmd からはハートビート障害が報告されます。ハードウェアの構成情報のみダンプされ、CPU レジスタやドメインデータ (dsmd.dump) はいずれも保存されません。ハードウェア構成ファイルからは、dstop 状態が報告されます。
回避策 : POST レベルを上げてドメインの POST を再実行すると、ハードウェア問題の原因を明らかにすることができます。
ハイエンドサーバーのシステムコントローラが自身のホスト名を解決できない場合には、wcapp は起動されません。その結果、SMS も起動されません。代わりに、プラットフォームのログに wcapp エラーメッセージが繰返し表示されます。たとえば、次のメッセージが表示されます。
回避策 : SC の正しいホスト名 (hostname(1) コマンドを実行すると返される) と IP アドレスが /etc/hosts ファイルに記録されているか、または何らかのネーミングサービスを使用していることを確認します。/etc/hosts ファイルにホスト名を記録する 1 つの方法としては、smsconfig コマンドを再実行して、『サイト計画の手引き』で SC に使用されたホスト名と IP アドレスを入力します。ホスト名と IP アドレスが正しいことを確認したら、SMS を再起動します。
この節では、SMS 1.4 のマニュアルページおよびマニュアルに含まれる誤りを記載しています。
smsupgrade.1m マニュアルページのアップグレード例で、SMS パッケージ用の正しいアップグレード接尾辞が示されていません。アップグレードされたすべてのパッケージの接尾辞は .2 です。
回避策 : 代わりに『SMS 1.4 インストールマニュアル』をお読みください。
pcd.1m マニュアルページおよび『SMS 1.4 リファレンスマニュアル』に記載されたプラットフォームデータ記述子が正しくありません。SMS 1.4 では、この記述子はバージョン 3 であり、Chassis Serial Number フィールドがプラットフォーム情報に追加されています。
『SMS 1.4 インストールマニュアル』で、2 つの flashupdate ファイル (nSCCPOST.di および oSCCPOST.di) が特定の種類のシステムコントローラ (SC) 上でのみ使用できることが記載されていません。これらの各ファイルは、次のハードウェアのみを対象としています。
さらに、23 ページ、38 ページ、52 ページ、および 61 ページの例では、一方の SC 上に CP1500 ボード、他方の SC 上に CP2140 ボードが示されていますが、このような構成はサポートされていません。
回避策 : お使いの SC の種類を確認するには、SMS の起動時にプラットフォームメッセージログファイルをチェックしてください。
すべてのシステムボードのクロックソースを表示するための showboards -c コマンドで、システム内のすべての WPCI ボードがオフであることが誤って表示されます。この誤ったステータスが表示されるのは、-c オプションを使用した場合に限られます。
回避策 : WPCI ボードのステータスを無視するか、あるいは -c オプションを指定しないで showboards コマンドを再実行してボードのステータスを確認してください。
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