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ドメインの DR ユーザーインタフェース

この章では、ドメインのユーザーインタフェースについて説明します。このインタフェースには、ユーザーが使用できるコマンドとオプション、および重要なファイルが含まれます。


ドメインの DR コマンドとオプション

ドメインで DR 操作を実行するには、cfgadm(1M) コマンドを使用します。DR 操作は libcfgadm(3LIB) ライブラリインタフェースに渡されて、DR 操作を実際に実行するハードウェア特定ライブラリプラグインが動的に読み込まれます。



注 - DR 操作中に cfgadm(1M) コマンドの実行が失敗すると、対象のボードは元の状態に戻りません。dxs または dca のエラーメッセージが、ドメインのログに出力されます。エラーが回復可能であれば、失敗したコマンドを再試行できます。エラーが回復不能な場合、そのボードを使用するには、ドメインの再起動が必要です。



sbd.so.1 ハードウェア特定プラグインによって DR 機能 (システムボードの接続、構成、構成解除、切り離し) が提供され、システムを再起動しなくても、実行中のシステムに対するシステムボードの接続や切り離しを行うことが可能になります。

cfgadm(1M) コマンドは /usr/sbin ディレクトリにあります。(詳細は、cfgadm(1M) マニュアルページを参照してください。)

ボードスロットは、デバイスツリーの単一の接続点として表示されます。各コンポーネントのタイプ、状態、および条件と、各ボードスロットの状態と条件は、cfgadm(1M) コマンドを -a オプション付きで使用して表示できます。

状態変更関数

ボードスロットまたはボード上のコンポーネントの状態を変更する状態変更関数は、任意の接続点に対して実行できます。

状態を変更する関数を次に示します。

可用性変更関数

ボードの可用性を変更する可用性変更関数は、任意の接続点に対して実行できます。

可用性を変更する関数を次に示します。

条件変更関数

ボードスロットまたはボード上のコンポーネントの条件を変更する状態変更関数は、任意の接続点に対して実行できます。

条件を変更する関数を次に示します。

オプションとオペランド

これらの関数で使用できるオプションとオペランドを次に示します。ap_id は、システムボードまたはコンポーネントの接続点に対応します。

オプションとオペランド

指定内容

-c connect ap_id

受容体の状態を connected に変更

-c disconnect ap_id

受容体の状態を disconnected に変更

-c configure ap_id

占有装置の状態を configured に変更

-c unconfigure ap_id

占有装置の状態を unconfigured に変更

-x assign ap_id

占有装置の状態を assigned に変更

-x unassign ap_id

占有装置の状態を unassigned に変更

-x poweron ap_id

占有装置の状態を powered-on に変更

-x poweroff ap_id

占有装置の状態を powered-off に変更

-l ap_id

表示されるシステムボードとコンポーネントの状態、ステータス、および条件

-h [ap_id]

ヘルプメッセージテキストを出力する。ap_id が指定された場合は、引数によって示された接続点に対するハードウェア固有ライブラリのヘルプルーチンが呼び出される。

-v

冗長モードで実行する。

-n

ユーザーの確認に関するコマンドプロンプトを非表示にして、自動的に "no" と応答する。

-y

ユーザーの確認に関するコマンドプロンプトを非表示にして、自動的に "yes" と応答する。

-s listing_options

listing_options に基づき表示する接続点の状態。list (-l) コマンドにリストオプションを提供する。listing_options の引数は、getsubopt(3C) マニュアルページの構文規則に準拠しており、接続点の選択基準 (select=select_string)、対象の照合タイプ (match=match_type)、一覧表示の順序
( sort=field_spec)、表示対象データ (cols=field_spec および cols2=field_spec)、
列の区切り文字 (delim=string)、および列見出しの非表示 (noheadings) を指定する。

-o hardware_options

メインのコマンドオプションに対してハードウェア固有のオプションを提供する。hardware_options 文字列の書式と内容は完全にハードウェア固有のものであり、getsubopt(3C) マニュアルページの構文規則に準拠している。

-t ap_id

1 つまたは複数の接続点のテストを実行する。このテスト機能は、接続点の条件を再評価する際に使用する。hardware_options でテストレベルを指定しない場合、ハード障害を特定する最速のテストが使用される。